代表理事ごあいさつ

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一般社団法人 National Clinical Database   
代表理事 池田 德彦

   

 2024年3月、瀬戸 泰之 先生の後任として5代目の代表理事を拝命しました。よろしくお願い申し上げます。

 一般社団法人National Clinical Database(NCD)は、2010年に専門医制度を支える手術症例データベースとして日本外科学会、日本消化器外科学会、日本小児外科学会、日本胸部外科学会、日本心臓血管外科学会、日本血管外科学会、日本呼吸器外科学会、日本内分泌外科学会、日本乳癌学会、日本甲状腺外科学会の外科系10学会が参画して設立されました。その後、日本脳神経外科学会、日本病理学会、日本泌尿器科学会、日本形成外科学会、日本内視鏡外科学会が加わり、今年で15年目を迎えます。
 NCDが世界に誇れるビッグデータの拠点に成長できたのも、これまでNCDを支えていただいた社員学会の皆様のご尽力の賜物であり、深い感謝の意を表します。

 また、忙しい日常診療の合間にデータを入力していただいている現場の先生方、関係者の方々にも厚く御礼申し上げます。わが国で行われている該当領域手術の95%以上が登録されており、かつデータの信頼性が極めて高いことも現場の方々の熱意によるものと考えます。

 NCDは、2011年から症例登録が始まり、登録施設数は3,374、診療科数は4,916でスタートし、初年度の症例登録数は約117万件でした。それが、2024年4月現在では登録施設数は 5,679、診療科数は14,920まで増加しています。2023年度症例登録数は約263万件で、累計では約2,848万件に達しています。データの規模や質の高さにとどまらず、各種専門医制度において入力データが手術実績の管理面で中核をなしていることは周知のとおりです。

 NCDのビッグデータを活用した臨床研究、政策研究も数多く行われています。近年では、癌関係の各学会との連携が広がり、手術だけではなく癌登録データとしての機能も付加され、様々な癌種の全国データの集積がNCD上で進んでいます。リアルワールドデータを用いた臨床研究の成果は数多くの国際的な論文となり、広く情報発信されています。

 2020年、未曽有の事態となった新型コロナウイルス感染症が発生しました。全国の多くの医療機関が多大な影響を受け、医療関係者の皆さんのご苦労は並大抵のものではなかったかと思います。そのような状況下でも症例のデータ登録を継続していただき、改めて感謝申し上げます。また、厚生労働科学特別研究事業の「新型コロナウイルス感染症における直接的な健康影響及び他の疾患の医療に与えた影響の調査に関する研究」が立ち上がり、臨床外科領域ではNCDデータを使った研究により、様々な外科治療に対する感染蔓延による影響が解析され、記録に残すことができました。研究結果を公開するとともに、今後の感染対策に活用することで社会貢献できれば幸いに存じます。

 これまで大きく発展してきたNCDですが、日本の医療の質のますますの向上と社会への還元を全力で継続支援してまいる所存です。今後ともご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

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