代表理事挨拶

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初代代表理事 里見 進 先生、2代目 國土 典宏 先生、3代目 岩中 督 先生の後任として2020年4月、代表理事に就任いたしました。よろしくお願い申し上げます。

一般社団法人National Clinical Database(以下、NCD)は、2010年専門医制度を支える手術症例データベースとして外科系臨床学会が設立し、2020年10周年を迎えます。これまで尽力していただいた多くの方々に誌面を借りて、心よりお礼申し上げます。設立時のご苦労は並大抵のものではなかったと思いますし、ここまで大きく発展し、世界に誇れるビッグデータに成長できたのも、先人の先見性ならびにそれを支えていただいた関係各位の情熱の賜物と考えます。あらためて深い敬服の意を表します。また、忙しい日常診療の合間にデータを入力していただいている現場の外科医、関係者の皆さまにも厚くお礼申し上げます。わが国で行われている該当領域手術の95%以上が登録されており、かつ信頼性が極めて高いのも現場の方々の熱意によるものと考えます。

専門医制度を念頭におき、日本外科学会、日本消化器外科学会、日本小児外科学会、日本胸部外科学会、日本心臓血管外科学会、日本血管外科学会、日本呼吸器外科学会、日本内分泌外科学会、日本乳癌学会、日本甲状腺外科学会の10学会が設立に参画されました。2011年から登録が始まり、初年度の登録症例件数は1,172,507例でした。また、登録施設数は3,374、診療科数は4,916でスタートしました。それが、直近では、2018年度登録症例件数 1,529,324例で累計では約1,130万件に達しています。2019年12月現在の登録施設数は5,276、診療科数は13,530まで増加しています。参加学会も日本脳神経外科学会、日本病理学会、日本泌尿器科学会、日本形成外科学会、日本内視鏡外科学会があらたに加わっています。2012年から各種専門医システムにおいてNCDデータの利用が開始されており、専門医制度において、その中核をなしていることは周知のとおりです。

この間、ビッグデータを活用した様々な多くの解析、運用も成されています。手術リスク評価も可能となり、web上で患者情報と術式を入力するだけで手術リスクが瞬時に表示されるrisk calculatorシステムも現場で大いに利用されていると思います。また、各施設の成績と全国平均との比較から自施設の客観的評価もできるようになっています。最近では、手術だけではなく癌登録データとしての機能も付加されており、今後、様々な癌腫の全国データの集積が期待されています。そのような活動から、これまで多くの英語論文が一流医学雑誌でpublishされています。わが国の優れた治療成績を世界に発信する原動力になっていると自負しております。

この10年間で大きく発展したことは間違いありません。ただ、まだ多くの課題が残っているとも思います。将来に向けて、この10年を土台として、更なる発展、社会貢献を目指す所存です。そのためにも、なお一層のご支援ご理解賜りますようお願い申し上げます。

一般社団法人 National Clinical Database   
代表理事 瀬戸 泰之   

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