事業概要

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事業概要

事業目的

一般社団法人 National Clinical Database(以下、NCD)は、臨床現場の医療情報を体系的に把握し、医療の質向上に資する分析を行うことで、市民の皆様に最善の医療を提供し、適正な医療水準を維持することを目的としています。

(1)医療情報を集積したデータベースの維持管理及び提供
(2)収集したデータの分析
(3)データベースを活用した医療水準の評価及び臨床研究の支援
(4)データベースの運用による関連団体との業務連携

この事業で集められたデータを分析することで以下のことを明らかにできます。

● 手術を行っている施設診療科の特徴
● 医療水準の評価
● 適正な専門医のありかた
● 特定条件、特定手術における予後情報

NCDの展望

この巨大なデータベースは、専門医申請のための診療実績を証明するインフラとして活用されるだけでなく、手術成績から見た医療の質の評価も可能とします。すでに主な術式についてデータ解析が行われ、数十編の論文が一流欧文誌に発表されており、我が国の外科技術レベルの高さを世界に示しています。また、大規模データに基づいたリスク評価も可能になり、Web上で患者情報と術式を入力するだけで手術のリスクを診療科にフィードバックするシステム(Risk Calculator等)も2014年に運用が開始されました。また、各施設の成績と全国平均を比較することにより、個々の施設での医療の改善に役立つ情報の提供を可能としました。

NCDには手術だけでなく、癌登録としての機能も付加されています。乳癌、膵癌の全国データが集積されはじめました。その他、診療報酬改定への提言を含め、国民に最善の医療を提供するために行政に様々な政策を発信することが期待されています。

これから益々発展し社会に貢献しようとしているNCDに皆様のご理解とご支援を頂けましたら幸いです。

事業詳細

運営形態

手術・治療に関する情報の登録は、本事業に参加する施設の診療科でおこなわれます。 登録されたデータは一般社団法人 National Clinical Database(以下、NCD)がとりまとめます。NCDは学会・専門医制度と連携しており、今後さらに拡大していきます。

NCDの組織図はこちら

登録対象のデータ

【図1】本事業の対象施設

本事業の対象施設図

【図2】収集するデータの概要

収集するデータの概要図

登録対象となるのは、各種の専門医制度に関係する、日本でおこなわれた手術・治療・剖検情報(病理領域のみ)です。
診療科単位で登録をおこない、その内容には診療科長が責任を負います。
2011年1月1日以降におこなわれた手術・治療から登録がはじまり日本全国の約5,000施設以上が参加【図1】 。
年間およそ150万件の登録が行われています。2014年から日本脳神経外科学会が、2015年から日本病理学会、2016年から日本泌尿器科学会と日本形成外科学会がNCDに加盟し、各学会のデータも集積されています。

登録される情報は以下のようにわけられます【図2】。

①すべての手術・治療について登録する基本項目(13項目前後、統計的調査)

②手術・治療ごとに異なる詳細な項目(医療評価調査)
①の基本項目よりも詳しい患者さんの情報、手術入院情報、術後情報などが入力されます。項目の詳細や項目数は専門医制度や領域に応じて異なります。数十項目から数百項目の登録が予定されています。

なお、本事業のシステムを利用して、検査が加えられたり、投薬が加えられたりするような、診療に何らかの影響を与える研究(以下、「介入をともなう研究」)がおこなわれる場合、調査項目が加えられることがあります。加えられる項目や参加する施設は各研究の計画によって異なります。この場合、研究ごとに倫理審査等を行ない、加えられる項目が適切であるか否かを判断します。

データの収集方法

【図3】本事業におけるデータの収集方法

本事業におけるデータの収集方法図

日本全国の参加施設診療科からインターネットを介して中央の組織にデータを集めます【図3】。データ登録のためのウェブサイトを開設し、参加施設診療科のデータ登録担当者が手術・治療の情報を登録します。データ登録担当者はNCDから認証を受けた診療科のスタッフです。

データの活用方法

本事業に収集されたデータは、各種委員会が討議した上で、次のようなかたちで活用されます。

・ 治療を行っている施設診療科の特徴
・ 医療水準の評価
・ 適正な専門医のありかた
・ 特定条件、特定手術における予後情報

これらのデータは専門誌や学術集会、ウェブサイト等で発表され、参加している各診療科にも報告が始まっています。各施設診療科は自科の治療成績を、全国の治療成績や欧米施設の治療成績とくらべてみることができるので、自施設の手術・治療の質の向上をはかるための貴重な資料となります。また、手術前にどの程度、死亡や合併症の危険性があるかを知ることができるので、治療方針を決める際の資料とすることもできます。

データ活用の詳細はこちら

本事業における倫理的配慮

データの検証(施設訪問)

2011年1月1日に開始されたNCDは、多数の医療機関のご参加を頂き、臨床現場の先生方のご尽力により日々データが集積されています。

NCDでは、その事業目的として、臨床現場の医療情報を体系的に把握し、医療の質向上に資する分析を行うことで、市民の皆様に最善の医療を提供し、適正な医療水準を維持することを掲げております。また、NCDは外科専門医をはじめ外科関連の多くの制度と連携し、NCDのデータによって本邦で行われている手術の実態が把握されるだけでなく、医療水準を示すエビデンスが創出されつつあります。我が国全体ならびに個々の施設の医療水準を適切に評価するためには、登録データの検証を行いデータベースの質を担保することが不可欠です。そのため、NCDでは毎年無作為抽出によって診療科を選定し、実際に医療機関を訪問してデータの質を検証する事業を実施し、登録施設と臨床現場において様々な意見交換をさせていただいています。このような根拠に基づいた検証の中で、各領域の専門性を客観的に示し、プロフェッショナルとして、社会に対する説明責任も同時に果たしていくことになります。

日常の診療でご多忙のことは重々承知をしておりますが、NCDより施設訪問によるデータ検証に関するお願いのご連絡を受けられた際は、ご理解とご協力の程よろしくお願い申し上げます。なお、NCDデータは各種領域の専門医や指定・関連施設の認定の根拠としても使用されます。ゆえに、施設訪問をお引き受け頂けない場合には、NCDは各専門医制度・関連学会に報告することになっており、登録されたデータが専門医制度関連の作業に使用できなくなる可能性がありますことを申し添えます。

連結可能匿名化された個人情報からデータベース運営者や管理者が、患者さん個人の氏名を知ることはできません。
また、個人情報が流出することがないよう、訪問にあたっては、担当者の身分を明らかにして、施設長からの許可を得ます。データの検証に関する情報以外については守秘義務を負い、施設から氏名などの個人情報を持ち出すことがないようにします。

個人情報の保護

本事業におけるデータの匿名化

本事業におけるデータの匿名化図

患者さんの手術・治療に関する情報は、個人を識別することができる情報を除き、その方と関わりのない符号をつけて入力されます。ただし、新たにつけられた符号がどなたのものであるのかを記した対応表が残されます(連結可能匿名化)。
これは、手術・治療後一定期間が経ったあとの情報を集めたり、入力された情報に誤りがないかを確かめたりする際に、入力された情報と患者さん個人の情報を照合しなければならなくなる可能性があるためです。この対応表は参加施設内で厳重に保管し、本事業のデータベースには提供されません。

本事業で集められたデータの分析結果は、学術集会や専門雑誌、ウェブサイト等で発表されています。 また、参加施設診療科は自診療科の手術・治療成績が全国の施設とくらべてどのようなものであるかを知ることができます。データが発表されたり、各診療科に伝えられたりする際は、集計された数値や分析された結果としてのみ公表されるため、患者さん個人が特定されることはありません。

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倫理審査

倫理審査の詳細はこちら

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